【助産師だより】コロナ禍での過ごし方

コロナの影響で大変な日々が続きましたが、いつもと違う状況、いつもと違う環境に戸惑いや不安も多かったのではないでしょうか。感染症という、目に見えない自然界のちからに対して、向き合い方やいつまで続くのかという不安もあり、自分の心を保つのにエネルギーのいる時間だったと思います。特に妊娠中のお母さんや赤ちゃんのいるご家庭は、感染症に対して気になることも多く神経を使って過ごされていたと思います。

反面、良いこともあったように感じています。今年は私たち助産師へ子供のインフルエンザ、風邪のご相談件数が減りました。これはひとえに、手洗いやうがい、マスク着用など、感染予防対策に意識して取り組んだことが大きいのではないかと思います。

いま、緊急事態宣言を解除する自治体が出始めて、ちょっと緊張がほぐれ少しずつ日常がもどってくるこの時期はほっとした気持ちの変化によって、今までの緊張による疲れが身体に現れます。そして同時に季節が春から急に初夏のように変化しました。

身体が適応できず、体調を崩しやすい季節の変わり目。この時期にこそ、自分の”からだ”に少し意識を向けてみましょう。

 

コロナ禍での過ごし方 ポイント

「食事」「運動」「呼吸」について、意識して過ごすことは少ないと思います。この3つは生きる上でとても重要なことですが、当たり前になって意識を向けることが少ないのではないでしょうか。1日1回、自分の”からだ”に、意識を向けて取り組んでみてください。

  1. 1.食べ過ぎない
  2. 2.インナーマッスルを使う
  3. 3.呼吸を整える

 

1.食べ過ぎない

気温が急に変化するときは、身体の血液の流れが大きく変化します。寒い季節=皮膚表面の毛細血管が収縮して体に熱をとどめますが、暑い季節=皮膚表面の毛細血管がひらいて体から熱を逃がします。

血液が皮膚表面に移動することで、内臓の血流がへり、胃腸が冷えて動きが緩やかになります。そのため、便秘や下痢などの排泄の乱れ、食欲はあるけどもたれる、おなかがはる、などの不調を感じやすくなります。

このような場合は、食事の量を軽くしたり、消化の良い食事にしたり、胃腸を温めるための白湯を飲むことなどがおすすめです。ショウガやネギ、ニラなどの薬味をうまく取り入れることで、食欲を促進し体温を上げる効果も期待できます。しっかり空腹を感じ、楽にお通じが出て、おなかのはりもない、身体も軽くなったと感じたら徐々に通常の食生活に戻していきましょう。

2.インナーマッスルを使う

寒い季節から暑い季節への変化の時期は、熱を外に逃がす働きを目覚めさせる必要があります。今は自宅で過ごす時間が長いので、なかなか運動できないと思いますが、おうちでもできる「インナーマッスル」を鍛える体操がおすすめです。インナーマッスルは、「良い姿勢を保つ」ための筋肉です。インナーマッスルを使うことで日頃の姿勢を良くなり、身体を楽に使えるようになります。

<下半身>

  1. 1.骨盤を立てて座骨を意識して椅子にすわる(背もたれにもたれず浅めに座る)
  2. 2.背筋を伸ばし、顎を引いて正面を見る
  3. 3.膝の間にバスタオルなどを挟んで、足をけりだすように片足ずつ膝を伸ばす

<上半身>

  1. 1.座骨を意識してすわり背筋を伸ばす
  2. 2.肩を耳に近づけるようにぎゅーっと持ち上げて後ろ方向にすとんと落とす
  3. 3.息を吸いながら肩を上げて、吐きながらすとんと落とす
  4. 4.1~3呼吸を合わせて行う

姿勢が良くなると、血流も改善し気分も良くなります。朝と夜など時間を決めて行うと習慣化しやすく、継続して続けられます。

3.深呼吸

しっかり深い呼吸をすることで身体に酸素を取り込み、エネルギー代謝の良い体作りになります。身体を上手に使えることは、ストレスに対してもタフに対応できる素地が整うということです。自律神経を整える効果もありますので、是非意識して深呼吸してください。

方法(胸式呼吸)

  1. 1.息を吸いながら、両腕をまっすぐ、肩の高さまで左右に広げて伸ばします(アルファベットのTのように)
  2. 2.息を吐きながらおろします
  3. ※インナーマッスルを意識したよい姿勢で行いましょう

方法(腹式呼吸)

  1. 1.手のひらをおなかにあてて、息を吸いながら膨らませます
  2. 2.吐きながらへこませます
  3. ※腹式呼吸が難しい場合は仰向けに寝て行うとやりやすくなります

 

新型コロナ感染症で自粛中の間にも季節は移り変わっていきます。身体を整えて、快適にすごせますように心がけていきましょう。